第四章では、センサの計測する為の回路基板作成を解説します。
1.プリント基板の作成と必要な電子部品等
プリント基板の作成
回路基板の作成には、回路基板の土台であるプリント基板を作成する必要があります。プリント基板を作成する為に、Seeed Technology社のプリント基板製造/実装サービスを利用します。まず、下記の「rFwLiot」ファイルをダウンロードし、デスクトップにファイルを移動します。
デスクトップに移動が完了したら、「Microsoft Edge」や「Google Chrome」等のブラウザを開き、Fusion PCB のウェブページを開きます。
ウェブページのリンクは、「https://www.fusionpcb.jp/」です。
ウェブページが開いたら、「今すぐ発注」ボタンをクリックします。

製造/実装サービスが開きますので、「ガーバーファイルを追加」ボタンをクリックします。

ファイルを選択するウィンドウが表示されますので、先ほどデスクトップに移動したファイル「rFwLiot」ファイルを選択し、「開く」ボタンをクリックします。
ファイルがアップロードされますので、アップロード完了後「カートに追加」ボタンをクリックします。

カートに追加が完了したら「カート」ボタンをクリックし、ショッピングカートページに移動ます。

ショッピングカートページに移動したら「安全に支払い」ボタンをクリックし、支払い手続きを実施し、注文して下さい。

注文後、約2週間~1カ月程度でプリント基板が配送されます。

電子部品のはんだ付けに必要なもの
回路基板を作成する為に、プリント基板に電子部品のはんだ付けを行います。はんだ付けを行うために必要な道具は下記になります。筆者が使用しているものと同じものをリンクに記載していますが、必ず同じものを購入する必要はありません。
・はんだごて

はんだごてははんだ付けを行うときに使用します。はんだごては温度制御の可能なものとそうでないものがあります。今回は温度制御が可能で、設定温度までの上昇が早く、設定温度になるとLEDが点滅し知らせてくれるものを選んでいます。作業がしやすいはんだごてを使用して下さい。
・はんだこて台

はんだこて台は、はんだ付けを安全に行う為に必要な、はんだごてを置く台になります。安価で安定性の高いものを選択しています。安全の為に必ずはんだこて台を購入して下さい。
・はんだリール台

はんだリール台は、はんだ付けをし易く、また、効率的に行う為に必要なものになります。選択したリール台は、安価かつスムーズにはんだを取り出しが可能です。はんだリール台は無くてもはんだ付けを行うことができますが、あると便利です。
・はんだ

はんだは、はんだ付けを行うときに使用します。作業性がよく、発煙が少なく、はんだリール台にあうはんだを選択しています。
・先細ニッパー

先細ニッパーは電子部品のはんだ付けを行った後に、電子部品の足部分を切断する時に使用します。足を切断しやすい形状の、刃が水平で先が細い物の購入をお勧めします。
・カッターマット

カッターマットははんだ付けを行う時に机の表面が焼けないようにすることや、電子部品を紛失しない為に使用します。机にあったサイズのものを購入して下さい。
・マスキングテープ

マスキングテープは、はんだ付けを行う時に電子部品を固定する為に使用します。幅のサイズが大きすぎると扱いづらいので、15~20mmの物をご使用下さい。
・ユニバーサル基板

ユニバーサル基板ははんだ付けの練習に必要です。はんだ付けを行ったことがある方や、慣れている方は必要ありません。実際にはんだ付けを行う前にこちらの基板で練習することをお勧めします。
必要な電子部品等
回路基板を作成する為に必要な電子部品一覧です。こちらと同じものを購入して下さい。※超小型スイッチングACアダプター、micro usb ケーブルは同じ物である必要はありません。同様のものをご準備下さい。詳しい選択方法は下記説明欄を閲覧下さい。
また、予備も少し購入することをお勧めします。目安は1~3個です。※コンデンサや抵抗等、1パックに複数個入っているものもあるので、予備を購入する時は注意して下さい。
| 名称 | 必要個数 | リンク先 | |
| Arduino Bootloader書込済 (5V 16MHz仕様) ATMEGA328P-PU | 1個 | リンク | |
| ICソケット スリム300milタイプ | 1個 | リンク | |
| セラミックコンデンサー 0.1μF | 4個 | リンク | |
| セラミックコンデンサー 22μF | 2個 | リンク | |
| クリスタル (水晶発振子) 16MHz | 1個 | リンク | |
| カーボン抵抗 1/4W 1MΩ | 1個 | リンク | |
| カーボン抵抗 1/4W 10kΩ | 1個 | リンク | |
| 小信号用ダイオード 1N4148 | 1個 | リンク | |
| ピンヘッダ 1×40 | 1個 | リンク | |
| オーディオジャック ピッチ変換基板 | 2個 | リンク | |
| ピンソケット 2×20 | 1個 | リンク | |
| XHコネクタ2P B2B-XH-A | 1個 | リンク | |
| コネクタ付コード2P | 1個 | リンク | |
| 2.1mm 標準DCジャック | 1個 | リンク | |
| スイッチング ACアダプター 5V4A | 1個 | リンク | |
| USBシリアル変換アダプター Rev.2 | 1個 | リンク | |
| micro usb ケーブル | 1個 | リンク |
・Arduino Bootloader書込済 (5V 16MHz仕様) ATMEGA328P-PU

こちらの電子部品は、回路基板の心臓部であるマイクロコントローラATMEGA328P-PUにArduino Bootloaderを書込みしたものになります。Arduino Bootloaderとは、センサを計測する等のプログラムを動かす為に必要な、制御用プログラム(ファームウェア)です。
・ICソケット スリム300milタイプ

ICソケットは、ATMEGA328P-PUを差し込む受け口になります。
・セラミックコンデンサ

セラミックコンデンサは、回路基板を安定して動作させる為に必要な電子部品で、電圧を安定することが可能です。また、アナログ信号センサを使用する時に、ノイズを取り除くことも可能で、例えばアナログ温度センサを使用する時に用います。
・クリスタル(水晶発振子)

クリスタル(水晶発振子)は今回使用するマイクロコントローラATMEGA328P-PUの動作に必要な電子部品で、動作に最適な16MHzのクリスタルを選択しました。
・カーボン抵抗

カーボン抵抗は、電流を調整することが可能で、回路にあった電流を流すことに使用します。
・小信号用ダイオード

ダイオードは、電気の流れを一方通行にする電子部品で、電気の逆流を防ぎます。プログラムを書き込む時に回路基板のリセットを行いますが、その時に過電圧が発生し制御エラーが起こることがあります。ダイオードを用いることで過電圧の発生を防ぎます。
・ピンヘッダ

ピンヘッダは、回路基板にプログラムを書き込む時に必要な、USBシリアル変換アダプターを差し込む為の受け口となります。
・オーディオジャック+ピッチ変換基板のセット

オーディオジャック+ピッチ変換基板は、水位センサや、雨量計を接続する受け口となります。
・ピンソケット 2×20

ピンソケットは、Raspberry Pi Model 3B+に接続する為のピンソケットとなります。
・XHコネクタ2P

XHコネクタ2Pは、太陽光システムからの電力供給や、プログラムを書き込む時に電力供給するコードのコネクタ受け口になります。
・コネクタ付コード2P

コネクタ付コード2Pは、プログラムを書き込む時に電力を供給する、ACアダプターに接続するコードになります。
・2.1mm 標準DCジャック

2.1mm標準DCジャックは、コネクタ付コードをACアダプターに接続する為に使用します。
・超小型スイッチングACアダプター5V4A

超小型スイッチングACアダプターは、プログラムを書き込む時に電力を供給するACアダプターです。出力コネクタ内径Φ2.1、出力コネクタ外径Φ5.5、出力電圧5V、出力電流1A以上の物を購入して下さい。
・USBシリアル変換アダプターRev.2

USBシリアル変換アダプターRev.2は、回路基板にプログラムを書き込む時に使用します。
・micro usb ケーブル

micro usbケーブルは、パソコンとUSBシリアル変換アダプターを繋ぐケーブルになります。USBコネクタはmicro-Bタイプの物をご準備下さい。
次はいよいよプリント基板に電子部品のはんだ付けを行います。