2.プリント基板への電子部品のはんだ付け


この節では発注したプリント基板に電子部品のはんだ付けを行います。実際にはんだ付けを行う前に、はんだ付けの練習をしましょう。※はんだ付けに自信がある方は練習不要です。

作業時間:60分

はんだ付けの準備

はんだごて、はんだこて台、はんだ、はんだ吸い取り線、はんだリール台、カッターマット、ニッパー、マスキングテープを準備します。

はんだ付け

はんだ付けをする時は、はんだを乗せるイメージですると上手く行えます。はんだごての温度は、温度調整可能なものであれば、360度未満として下さい。※筆者は340度で行っております。

はんだ付けの順番は、下記の3つの手順です。

①基板と電子部品の足にはんだごてをあて温めます(約5秒程度)
※はんだごては30度に傾ける

②はんだを当て、はんだ付けを行います

③はんだ、はんだごての順で離します

良いはんだ付けは、下記画像の山なりの形をしているものになります。
また、はんだ付けは隣にはんだ付けしたものとつながらないように注意します。(つながってしまうとショートしてしまい、電子部品が故障する原因になります)

はんだごてのこて先清掃

はんだ付けを行っていると、はんだごてのこて先にはんだが残る場合があります。はんだがつながる原因になりますので、こまめに清掃します。

清掃方法は、はんだこて台のスポンジに水を濡らし、はんだごてのこて先をあてます。清掃後は、はんだごての温度が下がるので、はんだごての温度が上がった後に、はんだづけを行います。

はんだが、つながった場合の対処方法

はんだ付けを行い、はんだがつながった場合は、半田吸い取り線を用いてはんだを吸い取ります。

はんだの吸い取り方法は、はんだがつながった箇所にはんだ吸い取り線を被せ、はんだごてを押し当てるとはんだが溶け出し、はんだ吸い取り線に吸着されます。
※温度調整が可能なはんだごてを使用の場合は、はんだごての温度を上げると効率よくはんだが吸い取れます。吸い取り完了後もとの温度に戻します。

はんだ付けの詳しい説明

はんだ付けの詳しい説明は、村田製作所電子工作のコツ/はんだ付けWebページが分かりやすく解説しています。こちらのリンクから参照可能です。はんだ付けを行ったことがない方は、必ず読むことをお勧めします。

はんだ付けの練習

はんだ付けの練習方法は簡単です。まず、練習用のユニバーサル基板にはんだボールを作ります。

はんだボールを20個作成後、カーボン抵抗を10個つけます。
まず、画像のように足を開いて固定してカーボン抵抗を5個はんだ付けを行ってください。その後足をニッパーで切断します。

次に、マスキングテープでカーボン抵抗を固定して足は開かずはんだ付けを5個行います。その後足をニッパーで切断します。

はんだ付けの練習は以上です。

プリント基板に電子部品をはんだ付け

プリント基板に電子部品のはんだ付けを行います。完成した回路基板は下記画像になります。

最初に、オーディオジャック+ピッチ変換基板のセットにはんだ付けを行います。まず、ピッチ変換基板にオーディオジャックのはんだ付けを行います。

次にピンヘッダを5ピンになるように、ニッパーで切断します。

切断したピンヘッダをピッチ変換基板にマスキングテープを貼り付け、はんだ付けを行います。1,2箇所はんだ付けが完了したら、マスキングテープをはがし、全てはんだ付けを行います。

カーボン抵抗1/4W1MΩとクリスタル(水晶発振子)16MHzを取り付けます。画像のようにカーボン抵抗の足を折り曲げて、マスキングテープで固定後、はんだ付けを行います。※クリスタル及びカーボン抵抗には極性がない為、向きはどちらでもOK

セラミックコンデンサー22μFMを取り付けます。同様にマスキングテープで固定してはんだ付けを行います。
※セラミックコンデンサーは極性がない為、向きはどちらでもOK
※0.1μFのコンデンサーと間違わないこと

セラミックコンデンサー0.1μFを取り付けます。
※22μFのコンデンサーと間違わないこと

カーボン抵抗1/4W10kΩと小信号用ダイオード1N4148を取り付けます。小信号用ダイオード1N4148には極性がある為、画像のように黒いラインがK穴の側になるように取り付けます。

ピンソケット2×20を取り付けます。こちらの部品のみ裏側から取り付け、表側ではんだ付けを行います。

ICソケットを取り付けます。

ピッチ変換基板を取り付けます。

XHコネクタ2Pを必ず画像のように溝がピッチ変換基板のジャックと同じ向きになるように取り付けます。

ピンヘッダを6ピンに切断し、ピンの長い方が上になるように取り付けます。

最後にICソケットにATMEGA328P-PUを挿入します。

以上で回路基板の完成です。

完成後は、はんだづけのつながりや、はんだが正常についていないか等の不備がないか、入念にチェックします。

最後に、回路基板に接続する電源コードを1組作成します。
コネクタ付きコード2Pと2.1mm標準DCジャックを準備します。

2.1mm標準DCジャックは先端の部分を左に回し外します。

画像のように、コネクタ付きコード2PをDCジャックに通し、赤のコードを短い金属部分の穴に通しはんだ付けを行い、黒のコードを長い金属部分の穴に通しはんだ付けを行います。

以上ではんだ付けの工程は完了です。次の節では、回路基板にプログラムの書き込みを行う為のソフトウェアをインストールします。


次の節:回路基板にプログラムを書き込む為のソフトウェアインストール